テュポン

Typhon
ガイアとタルタロスの子で、ガイアの末っ子とされる。
エキドナとの間にオルトス・ケルベロス・ヒュドラ・キマイラ・プロメテウスを啄ばむ鷲たちをもうけており、
また多くの荒々しい風たちの父でもある。
上半身は人で下半身は毒蛇がとぐろをまいた形をしており、
肩からは百もの竜の首が生え、天を覆わんばかりの巨体の化け物である。
一度はゼウスを捕えオリンポスの神々を追い詰めるが、
ヘルメスとパンによって解放されたゼウスに追い詰められ、
その最期は、神統記ではタルタロスに落されとされ、
ビブリオテーケーではシチリアのエトナ山の下敷きにされたとある。

出典
ヘシオドス「神統記」廣川洋一:訳 岩波文庫
アポロドーロス「ギリシア神話」高津春繁:訳 岩波文庫