おさきぎつね 尾裂狐とも。 飼いならすと飼い主の命令により種々の神変不思議なことをするという妖狐。 「梅翁随筆」では、上州のある血筋に取りつき(この血筋は切屋ものと呼ばれる)、 えさを与えれば大人しいが、もしそれを忘れた時は差別なく食べつくし、 怒った時は災いを起こし、最後には人を腹の中から食い殺すとある。 「反古のうらがき」では、御先狐に取りつかれて暴れ狂った者や、怪現象を起こした記録がある。 参考 柴田宵曲「奇談異聞辞典」ちくま学芸文庫