Trow
シェトランド諸島にいる意地悪く、いたずらをする妖精。
人間よりも小さくて灰色の服を着ており、トローは人間の好奇の目から身を守るために後ろ向きに歩く。
太陽が昇っても地上にいなければならなくなったら、人間を恐れ、ぶつぶつと独り言を言いながら、
一日中怖がって隠れようと地上をさまよわなければならない。
男しかいない種族であるため、人間の女を攫って妻とする。
トローの妻とされた女はトローの赤ん坊を産むとすぐに死んでしまうが、中にはトローの赤ん坊を8人産んでも死なない魔女もいた。
トローは生涯に1度しか結婚できず、子供が成長すると自身が死んでしまうので、独身を貫こうとする者もいる。
トローの声を聴くのは幸運のしるしだが、姿を見るのは不幸のしるしである。
参考
キャサリン・ブリックス「妖精Who's Who」井村君江:訳 ちくま文庫
井村君江「妖精学入門」講談社現代新書